前回はサッカーアメリカ代表個別の課題について話していきました。
今回は似て非なるオーストラリア代表の課題点について話します。
まず、オーストラリアの課題はアメリカ以上の「サッカー人気のなさ」です。
アメリカ国内では徐々にサッカー人気が出始め、それと呼応するかのように欧州で活躍する選手が次々と台頭してきています。
しかしオーストラリアの国内リーグであるAリーグはアメリカのそれであるMLSと違い盛り上がりを見えられているとは言えません。平均観客動員数は1万人に届かず(参考としてJリーグやMLSは23000人程度)、全試合がユーチューブで無料配信しているほどです(私にとっては逆にありがたいのですが…笑)。
もちろんAリーグ含めオーストラリア国内のサッカー事情が全くダメなわけではなく、いい傾向も出てきています。
Aリーグが生まれる前のオーストラリアのサッカーリーグは移民が自分の出身ごとにチームを作り地域に根付いたものではなかったので、国民にとって「移民のスポーツ」とサッカーは認識されていました。
Aリーグはそのような状況に終止符を打ちました。地域に根差したチームを作り、競わせ、優秀な選手はすぐ欧州にいける環境が誕生しました。
冬の移籍市場でアストン・ヴィラに行ったジョー・ガウチ、ニューカッスルに移籍した(現在はオランダ1部フォレンダムにローン移籍中の)ガラン・クオル、そして今夏バイエルン加入が決定したネストリー・イランクンダなどAリーグで活躍を見せた選手が続々と欧州の有名クラブに移籍しています。
ただそれよりも特筆すべきオーストラリアの特徴は、ベルギーやスコットランド、チャンピオンシップなどいわゆる欧州の中堅リーグに簡単に行けることです。つまり仮に五大リーグに移籍するほどの力をまだ持っていなくても欧州に挑戦できるということです。その意味の大きさは日本のシントトロイデンの事例を見ればわかると思います。
特に最近は現在25歳の1998年生まれの選手たちが多く欧州で活躍しています。スコットランド1部ハーツのキー・ロウルズ、セント・ミレンのキアヌ・バッカス、チャンピオンシップのミドルズブラのライリー・マッグリー、そしてレスターのハリー・サウター。さらにその下の年代もAリーグで活躍して欧州に行く選手がどんどん増えており、いい循環が生まれています。
さらに去年にはオーストラリアサッカーにとって追い風となった出来事がありました。ニュージーランドと共同開催であった女子W杯です。
オーストラリア代表は最終的にベスト4という結果に終わりましたが国内はかなりの盛り上がりを見せました。特に女子にはサム・カーというチェルシーで活躍する世界的なストライカーがいることも影響したかもしれません。
ですので男子も何かのきっかけでサッカー人気が爆発する可能性、ポテンシャルは十分あると思います。
以上、オーストラリアの国内サッカーのポジティブな面を見ましたがただ今の「弱体化」していると言われている状況は簡単に改善しないと思います。
やはりアメリカと比較して人口が少ないうえに、起爆剤となるW杯の開催予定もなく、さらにスター選手がいない現状ではなかなか人気も出てこないと思います。
ただオーストラリア代表もそのような状況を改善すべく代表では一丸となって戦っており、一定の結果も出しているので徐々にサッカー文化が根付いていっている、それは確実に言えると思います。
アメリカ代表とオーストラリア代表、2つのチームの動向についてみてきました。このブログでは試合の結果が出次第コメントしていく予定なので今後もぜひチェックしてください!